就活・転職界隈でちょくちょく話題になるメーカー子会社(略してメー子)。親会社の圧がすごくてヤバイだとか、まったりな雰囲気など色々言われていますね。本記事ではメーカー子会社で10年勤務した経験のある私の体験や感想をまとめます。メーカー子会社への就職や転職を考えている方は参考にしてみてください。
私の勤めたメーカー子会社(メー子)について
メーカーと言っても色々あるので簡単に私の勤めていたメーカーを紹介します。
(明言はしませんが)
私は、某大手電機メーカーの子会社に、エンジニアとして新卒で就職しました。
日本人で知らない人はいない巨大メーカで、多くの方が毎日どこかで見かけていると思います。
そのメーカはいわゆる何でもやっているグループになります。
例えば、重電(エレベータやエスカレータなど)や家電、さらにはシステム系もあります。
私は子会社に就職しましたが、一部業務で親会社に出向(一時的に別の会社で勤務すること)の経験もありますので、親・子の比較もできますので、私の感想は参考になるかなと思います。
メーカー子会社の良い点
メーカー子会社の良い点・悪い点を書きます。
(もちろん私の経験に基づくものなので、参考程度でお願いします)
親会社・グループ会社との連携が容易で仕事がしやすい
同じグループだとお互いの会社のことをある程度理解していたり、場合によっては過去に別件で顔見知りな方々も結構いたりします。
具体的には「親会社に〇〇を研究している部署があって、そこにいる××さんがその分野詳しいよ。」的な流れで相談先や協力先をすぐ見つけることができ、連絡もすぐできます(企業グループ全体で連絡先は検索可能でしたので)。
企業グループと仕事をする際には以下のようなメリットがあります。
- 業務の進め方の大枠が同じで仕事がしやすい(承認ルートや必要な書類など)
- カレンダー(休日)が同じ
- 拠点がある程度近いので出張が楽
何より会社は違えど「身内」なので雑談も仕事の会話もしやすいです。
(御社の〇〇話題になってますけど、実際のところ評判どうですか~?と少し裏側聞けたりして楽しいです)
親会社が大きければ大きいほど、また所属しているグループ企業がたくさんあればあるほどお互いに協力できる可能性は高まります。
逆に単体の企業ですと、自社で分からないこと・できないことがあった場合は、主にネットで検索して相手を見つけたり、過去の関係先に連絡する必要があります。
親会社の優れた設備や環境で業務ができる機会がある
私は約1.5年ほど親会社へ出向していました。
理由は、自社内で扱いきれない高度な技術を活用するために学ぶ必要があったからです。
もし親会社(グループ会社)がなければ、以下のような選択肢があったと思います。
- 自分で調べたり外部セミナーを受けたりする
- 業務そのものを外部企業に委託する
1.の場合は正しく学んだり身に着けることが困難です。
2.の場合は仕事は進みますがエンジニアとして自身のスキルアップができません。
親会社(グループ会社)と協力して仕事をすることで、新たな分野に関して仕事を通じて学べることは大きなメリットだと感じました。
社会人になるとOJT(仕事しながら学ぶこと)のありがたさを実感しますね。
まったりした空気感
親会社と比較した際に、子会社は「まったりした空気感がある」と思われがちです。
これはその通りです。
親会社に勤めている方は仕事への意識が高くテキパキした人が多いのに対し、子会社は時間軸に余裕を持つ人が多いと感じました。
企業としてどちらが良いかは個人によるところではあると思いますが、バリバリに働く自分がイメージできない人にとってはある程度の「まったり感」は魅力だと思います。
会社の勤怠管理の仕組み、福利厚生がそのグループで用意されているためホワイト
ブラック企業という単語が叫ばれる昨今、そうそうブラック企業なんてありません。
と思ったら大間違い。あるみたいですね(知り合いの話を聞く限り)。
しかし大手メーカーグループともなればほぼ間違いなく制度はホワイトでしょう。そして例外を除けばその制度は守られているでしょう。
社内の理不尽なことを通報する仕組みが社内システムにもあったりするので、上司にバレずにさらに上の人に密告できたりします。
会社の資金繰りが比較的安定している
子会社も1つの会社ではありますが、グループに属している一組織という感覚も働きます。
つまり資金を親会社から出資してもらうことも可能なので、急な出費や赤字などがあったとしても結果的に乗り越えれる場面もあります。
メーカー子会社の悪い点
給与の伸びが親会社より悪い
これは読んで字の如くです。まぁ想像通りでしたね。
新卒入社時のスタートラインは確か全く同じでしたが、5年後ぐらいには明確に差がついていましたね。
まぁ実際のところ親会社の方たちは優秀でしたし、妥当と感じました。
まったりしすぎなこともある
良い点で述べた「まったり感」ですが、裏を返せばよくない点もあります。
単純に仕事が遅かったり、意味(責任)のない仕事をやりたがる人が子会社には多いと感じます。
正社員(エンジニア)の場合は、勤務時間をこなせば給料がもらえます。
当然時間のかかる責任の軽い仕事を選びたがる人も稀にいるのですが、その浮いた負荷は周りに波及します。
多くの場合、業務はチームでこなすので「まったりしすぎな人」がいると身の回りにいると業務面でも精神面でも負荷が増加します。
あくまで割合の話ですが、身の回りに仕事への意識が低すぎる方がいる可能性が高い点はデメリットです。
(まぁ仕事大好き人間が周りにいても大変ですが笑)
業務内容が限定される
子会社は、何かしらの事業に特化した親会社の一部が独立した会社であることが多いです。
それゆえに、開発する商品のジャンルは決まっています。
(例えば、システムを作る会社はシステム、エレベータを作る会社はエレベータ、といった感じ)
なので就職後、別のものを作りたいとなっても社内でその希望を叶えることはほぼ不可能でしょう。
逆に親会社は、各子会社からの協力依頼などを受けて各子会社の商品開発関われたりする機会があります(主に研究部門の話ですが)。また技術的に扱う分野もより幅広かったりします。
メーカー子会社はヤバい?
個人的な経験から言えば、ヤバいなんて要素は一切ありませんでした。
むしろ強いグループの傘下でじっくり仕事ができる良い環境だと思います。
親・子なんて表現が使われるため、「親から指示がバンバン飛んできて、子はこき使われる」なんてイメージを持っている人も世の中に入るようですが、そんなことは一切ありませんでした。
むしろ親会社が「手助けが必要な業務・テーマはある?」と聞いてくることもありました。
親会社的には子会社相手にビジネスして、さらに子も成長させるという好循環を目指している面もあるみたいです。
私個人としては、出向して親会社での経験も積めてよかったですが、雰囲気的には自社(子会社)の方があっていたかと思います。
まとめ
本記事はあくまで私の経験によるものです。
世の中には色んな会社、色んな企業グループがあります。その一つだと思ってください。
子会社は就職の選択肢として良いと思います。メーカーの場合は親会社と比較して何を作るか明確なので、やりたいことが明確な方はおススメです。
グループ会社が多いとグループ内の展示会や講演会もあり、楽しかったりいろんな経験も積めるのも魅力ですね。
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