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イラストAIが仕事を奪う?話題のAIにエンジニアが思うこと

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最近イラスト作成AIが話題ですね。イラストを生成する性能自体も話題ですが、権利やイラストレータ(絵師)の仕事が奪う脅威になるのでは?ということも同時に話題となっています。AI関連の仕事をしたことがある私にとって、後者の話題はとても興味深かったので自分の考えを述べようと思います。

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AIが仕事を奪うとは

そもそもどうなったら「仕事が奪われた」ということになるのでしょうか?

それは性能で人に勝ったらとかではなく、仕事を人(労働者)へ依頼する選択肢よりも優れた選択肢が現れた状態を指すことだと思います。

ここでの「優れた」というのは経済面においてです。

つまりAIに仕事を奪われるというのは、経営者が人に仕事をさせた場合よりAI(を含む装置)にさせた方が安く済む、という条件が成立した状態を指します。
(狭い視点だと、経営者が導入するだけの資金力があるかも絡みますが、広い視点では上記条件が成立した時点で奪われるのは時間の問題でしょう)

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AIに奪われる仕事・奪われない仕事

ここからは私が思う「AIが奪いやすい仕事(=AIができる仕事)とそうでない仕事」のそれぞれの特徴を述べます。

AIが奪いやすい仕事

私が思うAIが奪いやすい仕事は、要求と結果の両方をデータで表現できるものです。

例えば、その場に何人いるのか数える仕事があったとします。その場はカメラで撮影した画像データで表現でき、人数も数値(データ)で表現できます。なのでこの仕事はAIにとって奪いやすい仕事でしょう。

この特徴を持つ仕事は、AIを学習させる際に必要な「教師データ」を収集・作成がしやすく、またAIは何を出力すべきかがはっきりしているためAIモデルも構築しやすいでしょう。

つまり、テキストを入力して画像データを出力する話題のイラスト生成AIはこちらに当てはまります。

最近のイラストはタイトルやタグも付与されていることが多いため、教師データの作成自体もある程度自動でできたのでしょう。

AIが奪いにくい仕事

奪いにくい仕事には2種類あると考えています。

1つ目は、対人で物理的な作用が要求されるものです。

これは奪いやすい仕事の裏返しで、対人での物理的な作用というのはデータで表現しづらく学習用データ(教師データ)の作成が困難かつ、純粋にハードウェアの動作制御が難しいです。

例えば、人からモノを手渡しでたくさん受け取る仕事があるとしたら、受け取る高さやモノの形状や大きさなどに合わせて受け取る手の幅・向きを調整する必要があります。これらの動作を人より早く瞬時に行うことは難しく、また渡す側が「力を緩めて大丈夫」というのをAI(機械)から感じ取るのにはおそらく人同士より時間がかかるでしょう。
モノをたくさん受け取る必要がある場合は、人がやる方が良いでしょう。

2つ目は、感情が絡むものです。

人間は、対人でないと満足しないケースがあります。

クレームを言う人、相談をしたい人など世の中には様々な客がいるのでそれらを捌くことができるのはおそらく生身の人間だけでしょう。

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イラスト生成AIとはどう向き合うべきか

今後イラスト生成AIは上手に活用されるでしょう。あえてプロに頼むより時間的にも経済的にも効率が良いことが十分にあると思います。

では、イラストレータや絵師の仕事は奪われるのでしょうか?

私の考えとしては「一部奪われる」です。

その一部とは、一般的(ありがち)なモノの組み合わせで成り立つイラストの作成などです。
そのイラストの例としては「サッカーをする中学生」、「通学中の女子高生」、「船で釣りをする人」などです。

このようなイラストをプロに要求する人は減るのではないでしょうか?
(自治体のポスターや教科書に乗せるイラストでありそうですよね?)

逆に奪われない仕事としては、特定のキャラクターに関するイラスト表情・感情やシチュエーションが難しいイラストの作成は奪われないでしょう。

例えば、「いたずらで友達に落とし穴を作ったが無関係な先輩が落ちそうで焦る女の子」の状況をうまく表現できるAIはなかなかできないでしょう。

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まとめ

単純なものや背景のイラスト作成では、イラスト作成AIは活躍するでしょう。

イラスト作成を要求する客側も、イラストレータ・絵師の両方がイラスト生成AIをうまく活用すべきかと思います。

とにかく、イラスト作成AIは、クオリティや権利の面でも今後の動向に注目すべき技術ですね。

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